今回は横浜新都市脳神経外科病院のACUTE STROKE TEAM(以下AST)の取り組みについてご紹介したいと思います。
急性期の脳梗塞治療における血栓回収療法(1)の有効性が2015年に示されて以来、当院でもこの治療の質を向上させるため、2016年1月より多職種チームで構成されるASTを立ち上げました。この治療は1分1秒を争うため、医師や看護師だけでなく、他コメディカル(診療放射線技士、臨床検査技師、薬剤師)や事務など、多職種でのチームワークが重要です。病院到着から治療開始までの時間を短縮するために、ASTが中心となって、これまで様々な改善を行ってきました。
当院では毎月1回AST委員会を開催し、各セクションからの問題点を持ち寄り、脳神経外科医の委員長を中心に協議し、院内システムの変更や使用する記録物の改善などを行ってきました。また、手術室や救急外来の看護師だけではなく、SCUの看護師も治療介助にあたることから、スタッフ教育にも力を入れてきました。スタッフの要望も取り入れ、実践型シミュレーション研修や脳神経外科医による講義も定期的に行い、これらはASTが担当しています。
現在では、血栓回収術の治療件数は関東屈指の病院となり、救急車到着から治療開始まで、24時間どの時間帯でも30分以内(中央値)に実施出来るようになりました。
今後も地域の方々が24時間365日、質の高い脳梗塞治療を受けられるように、様々な取り組みを続けていきたいと考えています。
1) 専用の特殊なカテーテルを用いて、脳の血管内の血のかたまりを取り除き、脳内の血流を回復させる治療
横浜新都市脳神経外科病院 看護部
3西SCU 看護師長 細見 敬介